おかしのえほん 2024-02-08

『ケーキ やけました』
- 彦坂有紀・もりといずみ・作
- 講談社(2015年10月1日)
- ISBN: 9784061332690
- 所蔵館 長与町 | ミライon | 長崎市 | 時津町
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『めしあがれ』
- 視覚デザイン研究所・作/高原美和・絵
- 視覚デザイン研究所(2012年10月)
- ISBN: 9784881082348
- 所蔵館
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『おやつ』
- 石津ちひろ・作/石黒亜矢子・絵
- BL出版(2021年4月19日)
- ISBN: 9784776410041
- 所蔵館
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『かわいいおかし』
- かけひさとこ・作/絵
- 教育画劇(2018年7月13日)
- ISBN: 9784774621456
- 所蔵館
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今日ご紹介したのは、『ケーキ やけました』『めしあがれ』『おやつ』『かわいいおかし』の4冊でした。
こどもたちに読み聞かせをしていて、一番楽しいのは、おかしやフルーツなどの「おいしいもの」の絵本を読んでいるときかもしれません。ページをめくるたびに、こどもたちは絵本の周りに群がり、絵本にえがかれた「おいしそうなもの」を手に取って、しあわせそうに頬張ります。なかには、絵本に口を持っていって、絵本ごと食べようとする子もいます。まだ抱っこやハイハイで、自分では絵本に近づくことができない子のところに絵本をもっていって、絵の中のごちそうを配ると、ふしぎそうにそれを見つめたり、年上のこどもたちのまねをして、口に持っていこうとしたり。ことばでなくても伝わる「絵の力」って、すごいな、と思います。
食べものを題材にした絵本は、信じられないくらいの手間をかけて、「そんなふうに描いてるの!?」とびっくりするような技法で描かれているものが多い気がします。今日ご紹介した『ケーキ やけました』は、木版画です。彦坂木版工房で、江戸時代の浮世絵と同じように、何色もの絵の具用に何枚もの版木をこしらえて、重ね刷りしているようすは、こちらのページで見ることができます。『めしあがれ』は水彩画ですが、写真をもとにしたり、頭の中で想像したイメージで描いているのではなく、「頭に思い描いたイメージ通りの《実物》を準備して――ショートケーキならショートケーキ、プリンならプリンを実際に準備して(なんなら自分でケーキを焼いて)、その実際の=リアルのおかしを、ベストの状態の光のなかに置いて、とことんまで観察して描く」ということをやっているそうです(高原美和さんへのインタビュー記事はこちら)。
そのほかにも、今回は取り上げませんでしたが、ミシン刺繍でフルーツパンケーキを縫い上げたり(さか井美ゆき『フルーツパンケーキ』)、ヨーロッパの伝統的なミニアチュール(細密画)の技法でつやつやのチョコレートとふさふさの毛並みのねこを描いたり(アン・モーティマー『チョコレート屋のねこ』)、本物と区別の付かないカステラを木彫りで彫り上げたり(キボリノコンノ『どっち?』)と、どれだけ時間と手間をかけてこの「おいしそうなものを、もっととびきりおいしそうに」描いたのだろうかと思わせる本が、次から次へと生まれています。
そんな遊び心や創造力の詰まったおいしそうな絵本をよむことでも、こどもたちは育っていくのかもしれませんね。